ベスラブレーキガールへの道

ベスラブレーキガール

ベスラ ブレーキガールとは?

ブレーキへの安全意識を高めていただくために誕生したベスラブレーキガール。笑顔が素敵な女性である事は言うまでもないが、それだけではない。ブレーキパッドについて詳しく、点検技術も持ち、ベスラのブレーキパッドについても高い知識を持ったライダーなのである。

ベスラ ブレーキガール誕生の一日

安全にライディングを楽しむために、とっても重要なブレーキ。中でも消耗品であるブレーキパッドには「点検」が欠かせないものです。しかし、残念ながら「点検するのは面倒」だったり「点検の仕方を知らない」といった理由もあって点検していないライダーが多いのが実情です。そこで、ショップ店頭で点検をし、ブレーキへの意識を高めてもらうためにベスラブレーキガールが誕生しました。就任したのは、藤原明子さん。テレビや雑誌で大活躍中の女性ライダーである。もちろん、ブレーキの事やバイクの事に関しての知識を持っている彼女だが、ブレーキガールとしてさらに知識と技術を高めるべくお勉強会が開催された。

学習編

ベスラの歴史を学ぶ

まずは社長の田村からベスラの歴史について学びます。『ベスラ』という名前は『ベスト』『ストップ』『ライニング(磨耗材)』の頭文字から生まれたもの。単に「よく止まる」のではなく、「最善の制動能力」を追求していくという気持ちから生まれています。本来ならばベスラの英字表記はBesrahとなるはずですが、そこにビクトリーのVを取り入れて現在のVesrahとなっているのです。

ベスラのブレーキパッドやシューは日本国内の工場で生産され、高い品質維持・向上しています。これは日本のみならず海外でも大いに認められ、アメリカのAMECAでは摩擦係数の最高基準「H」の認定を受けています。今回は特別に認定証も見せてもらい、藤原さんも大興奮。この認定された証はパッドのバックプレートにしっかりと刻印で「H」と記されています。「あまり気にしていなかった所に、ちゃんと表示されていたんですね」と藤原さんは感銘を受けていました。

ベスラ株式会社 代表取締役 田村昭人

講師 ベスラ株式会社
代表取締役 田村昭人

AMECA認定証 刻印

AMECAから摩擦係数の最高基準「H」の認定を受けていることを証明する認定証。そしてバックプレートには刻印が記されている。

ブレーキの構造を学ぶ

ブレーキパッド、ブレーキシューの現物を手に説明を聞く藤原さん

ベスラ株式会社 福田隆夫

講師 福田隆夫
MFJロードレース国際ライセンスライダー
柏秀樹ライディングスクール講師

ベスラの歴史を把握した後は、基本的なブレーキの構造を学びます。ディスクブレーキだけでなく、ドラムブレーキの構造も説明。新型車に乗る機会が多い藤原さんにとっては「なるほど」な内容がめじろ押しです。

材質について学ぶ

材質は大きく分けてレジン系とシンタードメタル系の2種類。ここをしっかりと理解して次へ進む

ブレーキの構造を理解したので、次はパッドの材質について学んでいきます。グレードを指し示すように「レジン」や「メタル」と呼ばれている事が多いのですが、これは材質の違いによるもの。材質の違いが性能の違いを生みますので、しっかりと学んでもらいましょう。

ベスラでは「SDパッド」になるレジン系。呼び名は様々で、レジンの他に「オーガニック」「セミメタル」「ノンアス」などもあります。ただし基本的には様々な材料をレジン(樹脂)で結合させたもの。このレジン系の商品である「SDパッド」の特徴は右記の4点。「価格の安さ」に注目が行きがちですが、これだけの特徴を持っているのです。

SDパッドの特徴
  • 低温域からすぐに効く
  • 価格が安く、十分な性能を持っている
  • 純正パッドと同様のライフになっている
  • 締め付けるような気持ち良いかけ心地

対して、ベスラでは「JLパッド」となるシンタードメタルパッド。他にも「フルメタル」と呼ばれる事もあります。銅をメインに、ほぼ100%が金属成分でできています。オートバイの他には新幹線でも使用されている事からも、性能の高さは伺えます。一般的にはローターへの攻撃性や低温時の性能の低下が懸念されます。
ではシンタードメタル系の商品である「JLパッド」の特徴を見ましょう。シンタードメタル系の弱点を克服し、尚かつ利点を強化したパッドになっています。

JLパッドの特徴
  • 素晴らしい耐熱性と耐久性を備えている
  • 制動力は高く、ライフは長い
  • ディスクローターへの攻撃性が低い
  • 低温から必要十分な性能を発揮する

若干商品説明も入っていますが、大きく分けて2種類の違いを勉強しました。藤原さんは「今まで漠然としていたのが、はっきりと分かりました」と目を輝かせます。ここまでの勉強で、かなり知識が高まった実感を得たようです。

製品について学ぶ

続いて製品について学んでいきます。レジン系の「SD」とシンタードメタル系の「JL」に加え、サーキットからストリートまで楽しめる「ZD-CT」、レース用の「SRJL」についての説明もあります。

ZD-CTの特徴
  • ストリートからレースまで使用できる高性能
  • 強力な減速パワーでも、女性ライダーを怖がらせない、強くて優しい特性
  • 普段はストリートユースで、サーキット走行会に自走で行くライダーにぴったり

特に藤原さんを驚かせたのは、日本製として唯一フルラインナップ展開をしている事。新型車はもちろん、絶版になった車両、ビンテージと呼ばれる純正品でも廃盤になっている車両、海外メーカーの車両までを網羅。
「車種に限定がないのは、凄く良いですよね! みんなにお勧めできる」と意気込みが最高潮に達したのでした。

様々な活動と著名人からの支持を知る

学習編のラストは、ベスラの活動と著名人からの支持を得ている実情を知ってもらいました。

まずはレース活動。アメリカではマーク・ヤング氏が指揮するベスラスズキチームレーシングが大活躍。WERAロードレース全米選手権では8度のシリーズチャンピオンを獲得。また、同チームは2010年からAMA Proロードレースへ挑戦。シリーズチャンピオンも獲得している。高い制動性能と耐久性を証明しました。

また、著名人から支持をいただいているという点では、世界チャンピオンのケビン・シュワンツ氏、ジャーナリストの柏 秀樹氏、ケニー佐川氏、全日本ロードレースで活躍した水谷 勝氏、現在も活躍している戸田 隆選手などを紹介しました。「凄い人達ばっかり!」藤原さんは驚き続けの時間となりました。

アメリカでベスラスズキチームを指揮するマーク・ヤング氏についての説明に聞き入り感心しまくりの藤原さん

実習編

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初のブレーキパッド交換にチャレンジ♪

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ボルトを緩める作業だけでも、ドキドキの体験

ブレーキパッド交換を体験

学習編でブレーキに関する知識が高まったので、次は交換を体験してもらいます。交換の手順を実際に体験してみる事で、しっかりとした作業を行ってもらう事の大切さやブレーキの構造に関する知識をさらに深めます。

今回はレース車両を使って、福田さんの説明を受けながら進めていきます。初めての交換作業に、真剣な眼差しで説明に耳を傾ける藤原さん。ボルト一本を緩めるのにも緊張感が高まります。

交換作業になると、ラチェットの使い方もぎこちなく、初々しさ満点。キャリパーの清掃などやピストン部分へのグリスアップ、新品パッドは面取りをしてからの取付けなど、理由を聞きながら行っていきます。「ただ新品パッドを付けるだけじゃないんですね。これは自分でやると大変。でもやってもらえば安心できますね」と理解を深め、感動していました。

ラストは今後のためにパッド残量の点検方法から入ります。キャリパーに覆われていると思っていたようで、パッド残量を見つけると「あった! ありました! 減っています!」と大喜び。

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キャリパーが外れて大感激!メガネ装着で本気モード全開です!

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実際に外したキャリパーを見ながら、ディスクブレーキ構造のおさらいです

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取り外したパッドと新品のパッドを比較。減り具合や変色の具合により、過酷な環境で使われた事が伺えます

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キャパーの清掃。しっかりと動作させるために、しっかりと清掃をしなければなりません。集中する藤原さん

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水分を取った後は巾着に入れてレバーへかけます。ホースにテンションをかけない一工夫。ちなみに巾着は点検キャンペーン時のご購入プレゼントに入っています

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ピストン部分へ注油

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揉み出しと呼ばれる作業。ピストンを戻すともう一方のピストンが若干出て来ます。この繰り返しで、均一な動きを取り戻すのです

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お馴染みの面取り。泣きを予防・軽減するための作業で、角を金ヤスリで削っていきます

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キャリパーを取付け、トルクレンチで締め付け。工具の使い方もどんどん上手になりました

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ラストは指差し確認!締め忘れなし!

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できました〜♪と充実の笑顔!

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作業が終った後で点検方法を伝授

ブレーキガール ブレーキパッド交換 ブレーキパッド交換の様子を動画でも公開中!

バイク屋さんの様々な車種で点検練習!

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最初に見た視点ではちょっと分かり辛い。下からだとよく見える! という繰り返しで、見方を覚えていきます

お客様の点検をする店頭には、多種多様なバイクのみなさんが来店します。その為には、より多くのバイクで点検の練習をしておきたいところ。そこでバイク屋さんへお邪魔して、色々なバイクで経験を積んでおきます。スーパースポーツ、メガスポーツ、ネイキッド、オフロード、スクーター、ビジネスバイクなどなど、多くの車両を展示されているバイカーズステーションSOX中野店さんにお邪魔して練習をさせていただきました。

先ほど練習をしたGSX-Rとはまた違ったキャリパー形状や口頭での説明のみとなっていたドラムブレーキに悪戦苦闘。メガネをかけて真剣モードに突入です!

何台もの車両で練習をした結果「だいぶ分かってきました!」と自信を持ち始めた様子。「でも、減ってるバイクがないんです…」と。ちゃんと整備されているんですよ。素晴らしい事なんですよ、藤原さん!

点検の練習を進めているとお店の方から「今、ブレーキをバラすんで、良かったら見ますか?」と嬉しいお誘い。販売車両の整備という事で、説明しながら作業をしてくださいます。特にドラムブレーキはシュー単体を見たり、口頭での説明が主だったので「こうなってるんですね! イメージがしっかりしました!」と大喜び。点検方法もしっかり教わって、大幅にスキルアップしたのでした。

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分かり辛い時は講師の福田さんを呼んで確認してもらいます。こうやって経験値が上がっていくのです

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先ほど自身で体験したパッド交換だが、その手際の良さに感心しきり。キャリパーの種類も違うので、さらに勉強になりました

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初めて見るドラムブレーキの内側に感動!

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「店頭での点検、がんばります!いっぱい点検したいです!」自信に満ち溢れた表情になった藤原さんでした♪

点検編

いよいよ本番! 店頭での点検!

12月14日、空気は冷たいが日射しが優しい穏やかな日にベスラブレーキガールの初陣がやって来ました! 場所は神奈川県にある246溝口2りんかんの駐車場。当日は藤原さんによる無料点検の他に、その場でベスラブレーキパッドやシューをお買い上げいただいた方に、記念品をプレゼント! さらにお店では20%オフのキャンペーンを開催していただきました。

定刻通り、10時30分から活動開始です。開店時間前からお待ちのお客様も多く、藤原さんは開始時間からフル回転! 次々と声をかけ、点検していきます。最初は勉強した事を思い出しながらのぎこちない動きでしたが、どんどんと慣れていってスムーズな動きへと変わっていきます。しかし練習ではなかった車両もたくさんあり、ちょっと戸惑う場面もありましたが、そこも乗り越えて成長していきます。

何とSP忠男の鈴木忠男社長もYZF-R25で来場。もちろん問題なし!

お買い上げいただいたお客様の中には、藤原さんとの記念撮影をされる方、記念グッズにサインをもらう方もいました。「今日パッドを交換して良かった」という声もいただきました!

昼食を挟んで、午後も多くの点検をさせていただきました。たくさんの方にベスラ製品をお買い上げいただきました。しかしそれ以上に「たくさんの方の車両を点検して、お話させていただいて、とても楽しくて充実した一日でした」という藤原さんの想いがスタッフ一同にこみ上げました。 また「危ないくらいに減っている車両はほとんどなくて、安心しました」という想いも同時に沸き上がりました。

今後も、ブレーキへの関心を高めていただくために、色々なお店の店頭や駐車場へベスラブレーキガールが出現していきます! Facebookページでもお知らせしていきますので、ぜひチェックしてご来場ください!

これからもいろいろなお店に現れるので会いに来てね♥

点検で問題なければ笑顔で「大丈夫でした♪」とご報告。ブレーキに関心を持ち、点検してくださる気持ちが大切なのです